1次リーグ 日本代表 第2戦 対コスタリカ

11月27日日曜日、日本代表対コスタリカ代表戦の試合結果。サッカーワールドカップ2022試合情報。過去の日本戦結果、予選での戦績、最新の戦いぶりなどの評価や注目選手など最新情報をお伝えします。

目次

    日本×コスタリカ タイムライン

    コスタリカとは

    コスタリカは3大会連続6回目のワールドカップ出場です。世界ランキングは31位です。
    (※世界ランキングは10月6日現在)

    2014年ブラジル大会は初のベスト8に

    2014年のブラジル大会でウルグアイ、イタリア、イングランドと、優勝経験のあるチームがそろった1次リーグをGKのナバス選手を中心とした粘り強い守備で1位突破し、決勝トーナメントの1回戦も勝って初のベスト8入りを果たしました。

    現在のスタイル

    今大会でも堅い守備を持ち味にしていて北中米カリブ海最終予選での失点数は14試合で「8」と8チーム中2番目に少なく抑えました。

    62歳のスアレス監督はエクアドルをベスト16に導いた2006年大会、ホンジュラスを率いた2014年大会に続いて3回目のワールドカップでの指揮で、戦略家として知られ豊富な経験を生かして強豪に挑みます。

    コスタリカ代表 日程・結果は、こちらから

    予選の戦いぶり

    大陸間プレーオフ(2022年6月)

    北中米カリブ海最終予選では7勝3敗4引き分けとしてカナダ、メキシコ、アメリカに次いで4位となって大陸間プレーオフにまわりましたが、ニュージーランドに1対0で競り勝って本大会への出場を決めました。

    北中米カリブ海最終予選

    対戦日 対戦国 結果
    9/3 パナマ △0-0
    9/6 メキシコ ●0-1
    9/9 ジャマイカ △1-1
    10/8 ホンジュラス △0-0
    10/11 エルサルバドル ○2-1
    10/14 アメリカ ●1-2
    11/13 カナダ ●0-1
    11/17 ホンジュラス ○2-1
    1/28 パナマ ○1-0
    1/31 メキシコ △0-0
    2/3 ジャマイカ ○1-0
    3/25 カナダ ○1-0
    3/28 エルサルバドル ○2-1
    3/31 アメリカ ○2-0

    ※コスタリカは北中米カリブ海の1次予選、2次予選は免除。

    大陸間プレーオフ

    対戦日 対戦国 結果
    6/15 ニュージーランド ○1-0

    日本との対戦成績

    日本は、これまで4回対戦し、3勝1引き分けとなっていてワールドカップでの対戦はありません。

    注目選手

    GKナバス選手

    コスタリカ代表はフランス1部リーグの強豪 パリサンジェルマンに所属する35歳のゴールキーパー、ケイロル・ナバス選手が守備の要です。

    ナバス選手は身長1メートル85センチと、1メートル90センチを超えることも多い世界のゴールキーパーと比較すると上背はありませんが、的確なポジショニングと抜群の反応の速さで相手のシュートを防ぎます。

    ワールドカップにはこれまで2回出場していて、一躍その名を轟かせたのが世界の強豪を相手に好セーブを連発した2014年のブラジル大会でした。

    1次リーグの初戦のウルグアイ戦ではペナルティーキックによる1失点にとどめ味方の逆転勝利につなげると、第2戦のイタリア戦では無失点に抑えて2連勝に貢献。

    第3戦のイングランド戦も無失点で引き分けに持ち込み優勝経験のある3チームを相手に1度も敗れることなく決勝トーナメントに進みました。

    そしてこの大会でチームを初のベスト8に導いたナバス選手は大会後にスペイン1部の強豪 レアルマドリードに移籍し、史上初のヨーロッパチャンピオンズリーグの3連覇に貢献するなど多くのタイトルを手にしたあと、2019年からパリサンジェルマンでプレーしています。

    プロフィール項目 内容
    生年月日 1986年12月15日生
    身長 1m85cm
    体重 80kg

    ※9月25日現在※

    コスタリカ代表メンバー26人

    11月3日にはコスタリカのメンバーが発表され、フランス1部リーグの強豪、パリサンジェルマンに所属する35歳のゴールキーパーで、守備の要のナバス選手など26人が選ばれました。
    コスタリカは26人の選手のほか、トレーナーなど合わせて57人で大会に臨み、大会の開幕直前の17日に強化試合を行うということです。

    ポジション 代表メンバー
    GK ナバス
    GK アルバラド
    GK セケイラ
    DF カルボ
    DF バルガス
    DF ワストン
    DF ドゥアルテ
    DF チャコン
    DF フジェル
    DF マルティネス
    DF オビエド
    DF マタリタ
    MF テヘダ
    MF ボルヘス
    MF サラス
    MF ウィルソン
    MF トレス
    MF ロペス
    MF ベネット
    MF サモラ
    MF エルナンデス
    MF アギレラ
    MF ルイス
    FW キャンベル
    FW コントレラス
    FW ベネガス

    NHKサッカー解説 播戸竜二さんに聞く~日本の現在地は“若葉マークがとれたくらい”

    NHKサッカー解説 播戸竜二さん

    今回で7大会連続7回目のワールドカップ出場となる日本。
    一方で出場19回、優勝4回を誇るドイツや、出場15回、優勝経験もあるスペインなど強豪国からはどう見えているのか、元日本代表でNHKサッカー解説の播戸竜二さんに聞きました。
    (取材・構成 アナウンサー 早坂 隆信)

    今の日本代表の世界での立ち位置をどう見ていますか。

    播戸さん

    1998年にワールドカップに初出場して、いま6回ですよね。7回目の挑戦ですけど、ワールドカップ常連国からすればまだまだ新米。川淵さん(日本サッカー協会相談役・川淵三郎さん)と最近話をして、2006年のドイツ大会かな、日本が1次リーグで負けて日本に帰らなきゃいけないということになって、川淵さんは結構うなだれていたみたいなんですよ。そしたらドイツ人の女性が来て「何をそんなに悲しい顔しているの。あなたたちは、まだまだワールドカップの新参者で、そんなにすぐに上に行けるほど甘くないでしょ。もっとワールドカップ中は楽しんだらいいじゃないの」みたいな感じで言われたって話をしていて。

    サッカー界で当時、日本が置かれた状況だったのでしょうか。

    播戸さん

    それが3回目の時なので、まあそれからプラス3回で6回にはなっていますけど、まだやっぱりベスト16の壁は越えていない。ということを考えると、まだまだチャレンジャーというか、アジアではもう今は(予選を)通過して当たり前ぐらいの感じにやっとなっていますけど、ワールドカップで見ると、まだまだベスト16から上へ行けていない。優勝しているような国、もしくは常連の10回以上出ているような国からすると、まだまだ本当に若葉マークが外れたぐらいの感じじゃないでしょうか。

    1次リーグ突破に向けて落とせない第2戦

    今大会は1次リーグで優勝経験のあるドイツ、スペインという強豪と戦います。突破のためには第2戦コスタリカ戦での勝ち点3獲得は絶対に必要だといいます。

    播戸さん

    まず初戦の11月23日(ドイツ戦)、ここでどういう結果になるかによって、いろんなものが変わってくるのは間違いないです、戦い方も含めて。そういう意味で、まずやっぱり初戦は負けないということが大事だと思います。
    もちろん勝てればベストですけど、負けると2試合目以降が戦い方も含めて、かなり厳しくなります。まずドイツ戦は負けないということを念頭に置きながら戦う。
    そして第2戦のコスタリカ戦、ここはもう勝つ以外にはないという立ち位置でいいと思います。
    もしドイツに最初に負けたとしても、コスタリカ戦に勝てば、まだ勝ち点3で次の結果しだいでは(上位2チームが進む決勝トーナメントに)上がる可能性がありますから。
    そういう意味でも、このコスタリカ戦は絶対勝たなければいけない試合というような立ち位置だと思います。

    日本の攻撃・キーワードは“個を生かす”

    1次リーグ突破、初のベスト8に何が必要なのか。攻守におけるキーワードをあげてもらいました。

    播戸さん

    攻撃面でいうと“個を生かす”ということだと思います。
    個を生かしたサッカー。
    伊東純也選手、久保建英選手、堂安律選手、このスリーシャドーといわれるような選手たちがどういうふうに躍動しながらゴールに迫れるかが、日本がベスト16の壁を越えられるかどうかのポイントになると思っています。

    伊東純也選手

    播戸さん

    伊東選手はベルギーでもフランスでも活躍しているので、彼の右サイドの強みはあると思います。伊東選手は縦の速さ、クロスボール、裏に抜け出してのゴール、というのが彼の特徴。90分スピードが落ちないとか、そのままの強さでいけるというのも彼の特徴です。

    堂安律選手

    播戸さん

    堂安選手はドイツ1部リーグのフライブルクに移籍して点を取っていますし、(攻撃の)起点になることもできてドリブルもできて、最終的にゴールを奪う、いいシュートを持っています。得点力も上がってきています。

    久保建英選手

    播戸さん

    久保選手はスペイン1部リーグのレアルソシエダードに移籍して、トップ下とかサイドをやることが多かったですけど、ツートップでも使われています。
    僕はやっぱりツートップの方が日本はいいと思うんですよね。
    1人でキープできて前線で起点ができるようなフォワードってなかなかいない、日本では。サイズも含めて。
    そういう中でフォワードにボールが入ったときに、ワンタッチでパスを受けられるくらい近くに久保選手とかがいた方がよりやりやすいのかなと。

    鎌田大地選手

    播戸さん

    あとは鎌田大地選手(ドイツ フランクフルト)もそうですね。
    去年ヨーロッパリーグで優勝していますし、チャンピオンズリーグでも、しっかりと実績を作っていますし、同じチームに残るという選択もしました。
    ここからはコンディションを、さらに上げていくだけだと思います。
    シャドーの伊東選手、久保選手、堂安選手と鎌田選手、ここがどう躍動するかが、やっぱり日本がベスト8にいくポイントだと思っています。

    守備のキーワードは“クリーンシート(=無失点)”

    DF吉田麻也選手

    播戸さん

    守備は吉田麻也選手という精神的な支柱がいる。
    ドイツ1部リーグのシャルケに移籍してポジションを取っている。
    キャプテンシーがあるので、やっぱり精神的な核になると思います。

    DF冨安健洋選手(左) DF板倉滉選手(右)

    播戸さん

    さらに冨安健洋選手(イングランド アーセナル)、板倉滉選手(ドイツ メンヘングラートバッハ)が伸びてきていますから、彼らの伸び幅であったりとかスピードであったりとか、フィード能力であったりは期待するところです。

    DF伊藤洋樹選手

    播戸さん

    あと伊藤洋輝選手もドイツ1部リーグのシュツットガルトで試合に出続けて、スリーバックの左をやったり、センターバックをやったり、サイドバックをやったりと、いろんなところのディフェンスができます。
    彼の成長と彼がどれだけ戦力になるのか。例えばセンターもできるのかどうかみたいなことで、選択肢が変わってくるのかなと思いますね。

    守備面でキーワードをあげるとすれば。

    播戸さん

    “クリーンシート(=無失点)”じゃないですか。
    点を取られない。3試合で失点「0」だったら、たぶん決勝トーナメントにあがれると思うので。最低勝ち点3は取れるから、確率は高くなるので。ディフェンスラインのポイントとしてはクリーンシートできるかどうか。

    これまで1次リーグを突破した大会では、日本が守備に重きを置いていたイメージがあります。相手との力関係などを認めつつ振る舞うのか、自分たちのやりたいサッカーを貫くかというところではどうでしょうか。

    播戸さん

    どういうサッカーがいいのか、どうしたら勝てるのかっていうのが、たぶんその時々で違うと思います。
    森保監督がこの4年積み上げてきていいなと思うのは、いろんな選手がチャンスを与えられたり、試合に出たりしていて『このシステムじゃないといけない』、『この選手じゃないといけない』というのがない感覚があります。
    スリーバック、フォーバック、前線も形を変えるなどしてやってきたので、いろんなフォーメーションに対応できるのはあるのかなと。
    ドイツ、コスタリカ、スペインと対戦相手の特徴によって戦い方を変えられるようなフォーメーション、選手を最終的に選んでいくのではないでしょうか。

    世界的ゴールキーパーが守るゴールをこじ開けられるか

    第2戦で対戦するコスタリカは2014年のブラジル大会で堅守速攻を武器にベスト8となり注目されました。フランスの強豪 パリサンジェルマンに所属する世界的なゴールキーパーのケイロル・ナバス選手がチームの中心です。

    GKナバス選手

    北中米カリブ海最終予選でも少ない失点で粘り強く戦い、ニュージーランドとの大陸間プレーオフを制しワールドカップの切符を手にしています。

    1次リーグ第2戦の相手はコスタリカ、播戸さんはどんな印象をお持ちでしょうか。

    播戸さん

    やはり注目はナバス選手じゃないですかね。
    彼は、スペイン1部リーグのレアルマドリードでも、あれだけ試合に出てチャンピオンズリーグで3連覇していますし。ナバスがいるので、やっぱりディフェンスは堅くなるのかなと。
    北中米カリブ海最終予選では14試合で8失点なので、やっぱり守備の堅さを物語っていると思います。

    播戸さん

    ただ攻撃では13得点なので得点はあまり取れてないという、そういうチームなのかなという感じはします。得点は、そこまで取れないけど、しっかりと守って失点をしない。
    となると、どういう選手、どういうフォーメーションがいいのかということですね。

    ドイツやスペインと戦うときとは、日本がボールを保持できるかどうかを含めて違った展開になるという可能性もありますか。

    播戸さん

    そうなるんじゃないですかね。
    現代サッカーでいうと、そういうふうに対応をしていかないと勝てたり上に行ったりできないので。(ドイツ戦やスペイン戦と)同じフォーメーション、同じ選手たちという感じではないような気がしますね。特に前線は。
    失点しないというのがまず一番ですし、相手の堅い守備をどう崩していくのかというのがあると思います。

    ストライカーだった播戸さんから見て、ナバス選手から点を取っていくためにどんな攻撃、どんな心構えが必要になりますか。

    GKナバス選手

    播戸さん

    シュートを打っていくことじゃないですかね。
    積極的にシュートを打つ。やっぱりシュートを打っていかないと攻撃の選手たちは、乗っていかないです。打たなければ点は入らないので、果敢にシュートを打っていくということだと思います。入らないゴールキーパーはいないですから。

    期待も込めて、どんなスコアを予想していますか。

    播戸さん

    失点を0に抑えて、得点は1点もしくは2点という感じじゃないでしょうか。
    失点を0で抑えるというのが大前提で、その中から1点取れれば最高ですし、1点取れれば相手は前に出てくるので、そうしたら2点目も取れるという感じじゃないですかね。

    日本代表にエール“見たことのない景色を”

    日本代表へのエールをお願いします。

    播戸さん

    国民全体が応援しているので、プレッシャーは本当に大きいと思いますけど、このワールドカップで日本代表がどれだけ活躍できるか、そして今までいったことのないベスト8にいくとなると日本全体が元気になります。今まで破ったことのないベスト16の壁を破ってベスト8、さらにその先に進んでいってほしいですね。

    グループEに入った4チームの結果はどうなる

    最後に1次リーグの勝敗予想はどうなっていますか。

    播戸さん

    ドイツ0-0、コスタリカ2-0、スペイン1-1、勝ち点5でグループリーグ突破です。勝ち点5を取れば、ベスト16にいけると。

    同じグループに入った3チームの勝敗予想はどうなっていますか。

    播戸さん

    ドイツはコスタリカにたぶん勝つと思うんですね。スペインとドイツがどうなのかというのが難しいですね。今の状況とか全体的な感じを含めて。
    でもドイツが勝つと思います、スペインに。
    スペインは1勝1敗1分けですね。

    最初の2試合で勝ち点4を取れば、第3戦は1勝1敗のスペインより精神的に優位に立って臨めそうですね。

    播戸さん

    いいシナリオだと思いますよ。

    播戸さんの1次リーグ予想 日本は1勝2分で2位通過

    順位 チーム・成績予想 勝ち点
    1位 ドイツ(2勝1分) 7
    2位 日本(1勝2分) 5
    3位 スペイン(1勝1敗1分) 4
    4位 コスタリカ(3敗) 0

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